生活様式や地域社会の変化に伴い、現代社会はさまざまな犯罪が多発しています。犯罪の中でも、住宅等の建物に侵入する空き巣等のいわゆる侵入犯罪に対して、多くの人が不安を感じています。こうした社会環境のなか、住居の施錠強化や防犯ガラス設置など、自らの防犯対策に取り組む人が増加しています。
そこで、防犯用に利用される商品の中から、最近よく見かけるセンサーライトについて、使用上の注意点等を調べてみました。
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静岡市内の店舗及びインターネットで購入したセンサーライト8銘柄(価格980〜5,479円)です(表1)。内訳は100W型2銘柄と150W型6銘柄です。いずれもハロゲン電球使用のライトで、赤外線センサーにより反応する形式でした。
また今回のテスト対象品は、電源プラグをコンセントに接続して使用するタイプで、これらには「電気用品安全法(以下、法)」の基準が適用されます。図1にセンサーライトの概要を示しました。
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表1 調査対象品
金額(円)
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100Wタイプ
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150Wタイプ
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980
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1
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1,001〜2,000
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1
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2
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2,001〜3,000
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1
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3,001〜4,000
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1
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1
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5,479
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1
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計
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2
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6
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図1 センサーライト各部の名称 |
法で定められた表示基準については、8銘柄すべてにPSEマークをはじめ必要な事項が表示され、基準に適合していました。
表示の方法は、表面の見やすい箇所に容易に消えない方法と決められています。7銘柄は適切な表示方法でしたが、1銘柄では本体背面のカバー内側に表示されていたため基準に不適合でした。これについては、経済産業省において事業者に対する改善指導が行われました。
次に、法定事項以外の表示内容を調べました。すべての銘柄の本体には、電球やその周辺が高温になることの注意が書かれていました。また6銘柄では、本体の外郭に交換電球の種類と電圧が表示されていましたが、2銘柄にはこれらの表示がありませんでした。電球の取換えが確実に行われるように、電球種類は取扱説明書だけでなく、本体へも表示されることが望まれます。
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● 電気性能試験を行いました
技術基準で定められた試験項目のうち、表2に示した項目を測定して、各センサーライトの電気性能を評価しました。
7銘柄はこの規格に適合していましたが、1銘柄は消費電力許容差が規格に不適合という結果でした。この不適合品については経済産業省の指導により、既に改善措置が行われています。
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表2 電気性能試験項目と規格
試 験 項 目
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規 格
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消費電力許容差
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100W:±20%(80.0〜120.0W)
150W:±15%(127.5〜172.5W)
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漏えい電流
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1mA以下
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絶縁抵抗
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温度上昇試験前
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1MΩ以上
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温度上昇試験後
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1MΩ以上
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絶縁耐力
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電圧1000Vを1分かけた時、10mA以上の電流が流れない
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● 防水性能試験を行いました
センサーライトに一定量の水をかける注水試験及び4ケ月間の屋外設置試験を行い、それぞれの外観変化及び電気性能項目を調べました。
注水試験では、注水前と比較して外観と電気性能項目に変化はなく、今回の注水条件において、水による品質への影響はなかったと判断されました。
一方、屋外設置試験では、シールの文字が消えた銘柄や、赤文字で注意喚起した部分が退色した銘柄等、表示シールに複数の変化が見られました。いずれの銘柄も屋外で使用可とされていますので、使用上の注意事項等が短期間で消えることは改善する必要があります。電気性能の測定結果については、屋外試験前と変化はなく、4ケ月の屋外設置による影響は認められませんでした。
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●
表面温度を測定しました
センサーライトを連続点灯させた時の、ライトカバー表面の温度変化を図2に示しました。点灯後約2.5分から8分で、すべての銘柄は70℃以上となりました。さらに、25分後にはどの銘柄も温度はほぼ一定となりますが、この時の温度は106〜155℃とかなり高温になりました。人が表面を触れた場合にやけどをする可能性があるとされている温度は70℃と言われていますので、短時間であっても、連続点灯時には注意が必要です。
次に、点灯1分・消灯5分を10回繰り返した時の温度変化を測定しました。表面温度はライト点灯の度に上昇していきますが、1時間の測定では70℃を超える銘柄はありませんでした。通常の使用では点灯と消灯の間隔は不定期ですから、今回の結果より高温になることも考えられます。以上のことから、センサーライトは高温に弱いものから離して取り付けること、電球交換時に手で触る場合は温度が下がっていることの確認が重要だとわかりました。
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図2 連続点灯におけるライトカバーの温度変化 |
●
点灯時間を計りました
どの銘柄にも、点灯時間を調節するタイマーがついていました。そこでタイマーを最短及び最長に設定した時のライト点灯時間を測定して、タイマー機能を比較してみました。
結果は図3に示しましたが、最短時間設定時(設定値約5秒が7銘柄、約6秒が1銘柄)に実際の点灯時間と差がある銘柄が多く見られました。また10回の繰り返し測定を行いましたが、ばらつきの大きい銘柄が複数ありました。
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図3 ライト点灯時間の設定値に対する比率
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さらに、最長時間設定(設定値約5分が5銘柄、約8分と約10分が各1銘柄)では、点灯時間が設定値の約7割という銘柄もありました。 赤外線センサーは、犬猫や車の動きを検知する場合があり、使用者の予想以上に点灯時間や回数が増加する可能性が考えられます。センサーライト取付け時には、タイマー時間やセンサーの向き等を事前に確認すると良いでしょう。 |
□■□ まとめ □■□ |
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