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=== テストしたのは… === 静岡市内で購入したピアス20銘柄(価格105〜5,250円)です(表1)。内訳は、飾り、キャッチ(耳の裏側から本体を押さえる部分)及びポスト(耳に通す針の部分)の各部位からなるもの12銘柄(うちキャッチ及びポストがシリコン製のもの2銘柄)、飾り及びポスト(フック)からなるもの7銘柄、飾り及びキャッチからなるもの(マグネットピアス)1銘柄です。 |
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● ピアスに関するアンケート調査を 行いました 静岡県職員を対象に、ピアスの使用経験や皮膚障害に関するアンケート調査を実施し、2,156人から回答を得ました |
● 市販ピアスの金属組成 そこで、市販のピアスはどのような金属から構成さ れているのか、飾り20試料、キャッチ11試料、ポス ト17試料(全48試料)の各部位の表面金属成分(合 金及びめっき部分を合わせたもの)を調べました。 調査した48試料のうち、多かったものは白金(Pt) 系や銅(Cu)系でした。また、ポストについては白金 (Pt)、チタン(Ti)、銀(Ag)といった金属アレルギー を起こしにくい金属を主要成分とする商品が多くみ られました(表2)。さらに、ピアスの各部位が同じ 金属組成からなる商品は少なく、20銘柄中15銘柄は それぞれ異なる金属組成の部位から構成されていま した。 |
● 汗の中にニッケルはどのくらい溶け出すのでしょうか? | |
金属アレルギーは、汗や体液で溶け出した金属がイオンの形で体内に入ることにより起こりますが、溶け出る量が多いほどアレルギーを生じる可能性は高くなります。そこで、市販のピアスからアレルギーの原因金属が汗の中にどのくらい溶け出すか最もアレルギーを起こしやすいといわれているニッケルについて調べました。 測定は、EC指令(基準値0.5μg/cm2/週)のよりどころとなっている、ヨーロッパの公的規格を用いて行いました。この方法は、人工的に作られた汗(人工汗液:尿素や食塩、乳酸等を含む)の中に1週間ピアスを浸漬した場合、ニッケルがどのくらい溶け出すか(遊離量)を測定するものです。 結果を表3に示しました。調査した20銘柄中、ニッケル遊離量が基準値を超えたものは8銘柄ありましたが、いずれも価格は |
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1,050円以下でした。これらの商品は、必ずしもニッケルが主要金属成分の部位を含むわけではありません。また、今回調査した商品のうち、「ノンアレルギー」と表示されたものは2銘柄ありましたが、これらのニッケル遊離量はいずれも基準値を超えていました。 |
◆ ニッケルについて |
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