商品テスト情報−市販のミネラルウォーターと静岡県の水道水−
1 ミネラルウォーターと水道水の味を比較してみました
★ カルキ臭とは? 水道水のにおいで「カルキ臭」とよく言われる刺激臭は、これまで、消毒のために加えた塩素のにおいであると考えられてきましたが、最近になって、塩素と水道原水に含まれるアンモニアが結合してできる三塩化窒素によってにおいが強くなることがわかってきました。 2 ミネラルウォーターと水道水の区別はできるでしょうか
3 水の化学成分を分析してみました おいしい水の条件として、ミネラルバランスを重視した「おいしい水の指標」(O Index、OIと略)及び「健康によい水の指標」(K Index、KIと略)が、たくさんのデータの検討をもとに提案されています。OI及びKIは、次の計算式で表され、おいしい水はOI>2、健康によい水はKI>5.2とされています。 OI=Ca2+(カルシウムイオン)+K+(カリウムイオン)+SiO2(溶性けい酸)/Mg2+(マグネシウムイオン)+SO42−(硫酸イオン) KI=Ca2+ (カルシウムイオン)−0.87Na+(ナトリウムイオン)(mg/l) そこで、ミネラルウォーター及び水道水の化学成分を分析し、上記計算式をもとに、OI及びKIを算出してみました(図4)。まず、「おいしい水の指標」OIは、ミネラルウォーターが比較的高くなっていました。一方、「健康によい水の指標」(KI)は、外国産ミネラルウォーターD、E、Fが特に高い値となっていました。
★ おいしい水とは? おいしい水の要因としては、1985年4月厚生省の「おいしい水研究会」から次のような水質要件が提言されています。 1 水温は重要な要素で、体温より20〜25℃低い10〜15℃が適温とされている。暑い日など冷たい一杯の水がおいしいというのも、冷たさが味覚に爽快な刺激をあたえるからだと考えられる。 2 適度な硬度、蒸発残留物、遊離炭酸などを含む。 3 有機物の溶存量と密接な関係がある過マンガン酸カリウム消費量、臭気度、残留塩素などは水の味を悪くする。 ★ 残留塩素を取り除くには? 水道水の消毒のためには塩素は不可欠ですが、水道水中に残留する「残留塩素」は、塩素臭やカルキ臭の原因となり、水の味を損ないます。そこで、簡単な残留塩素の除去方法をいくつかご紹介します(除去後は、水がいたみやすいので早めに飲みましょう)。 @ 薬缶で沸騰させ、お湯が沸いても火を止めず、蓋を開けたままさらに五分間沸騰を続ける。 A 吹き出し口のついた電気ポットなどで沸騰を数回繰り返す。 B 日光にあてる。 ただし、一度沸騰させた後に冷やすと、水に溶けている炭酸ガスや空気が揮散してうまみを逃す欠点があります。 ★★ まとめ ★★ 1 ミネラルウォーターと水道水の官能試験では、必ずしも両者を正確に区別できるとは限らないという結果でした。水道水は、カルキ臭等の味を悪くする成分を取り除けば、ミネラルウォーターとそれほど遜色ないと考えられます。なお、ミネラルウォーターの価格は水道水の約1000倍です。 2 ミネラルウォーターについては、国産品は硬度が水道水とほぼ同じ、外国産品は硬度が非常に高い等という特徴がありました。商品に表示されている栄養成分表からも、これらのことがある程度わかりますので、購入する時の参考にするとよいと思われます。
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