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自転車は、身近で手軽な移動手段として、多くの人に利用されています。しかし、その盗難は例年多く発生し、少年犯罪や放置自転車増加の一因となっています。現在、自転車盗難を防ぐために、様々な対策が検討され、その1つとして施錠があります。しかし、施錠していても盗難に遭うケースもあることから、ワンロック(1個の錠で施錠すること)では不十分な場合もあり、補助錠を利用している人が増えています。
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● まず、アンケート調査をしました
県内の高校2年生(283名)及び静岡県職員2,785名の、合計3,068名から回答を得ました(以下はその一部です)。
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=== テストしたのは… === | |
それでは、市販されている補助錠の性能は、これらの錠の種類によって違いがあるのでしょうか? そこで、市販されていた12銘柄の補助錠(表1)について、実際にテストしました。 ● 補助錠の強さはどのくらいでしょうか? ☆ 引張強度
注)引張強度:施錠状態で1400Nの力を静かに加えた時に、破損がなく、施錠・開錠に異常があってはならない。 ☆ せん断強度 小型ペンチを使った場合、どのくらいの力で錠が切断されるかを調べました。その結果、ワイヤー錠は太さの直径が10 mm以上のものが、チェーンでは3 mm以上のものが切断されませんでした(表2))。また、100円ショップ直の商品については、4銘柄中3銘柄が切断されました。成人男性の平均握力が500 Nですので、これらの商品は、ペンチ等を使って人の力で破壊されてしまう恐れがありました。 |
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錆びにより開錠できなくなったという意見があったことから、錠の種類と錆びとの関係を調べました。5%の食塩水を錠に噴霧し続け、開錠できるかどうか24時間毎に確認し、7日間試験しました。表3からわかるように、7日目までに開錠できなくなったものはは5銘柄で、いずれもシリンダー式又は100円ショップの商品でした。シリンダー式は、錠内部で動く距離が短いため、腐食しやすくなっており、しかも、ダイヤル式より開錠に大きな力が必要なためと考えられました注)。
注)今回の試験は、実際の使用状況よりかなり厳しい条件で腐食を促進させた試験のため、実際の環境にそのままあてはまるとは限りません。 |
● 固定設備注)について調べてみました
アンケート調査から、固定設備を利用している人は少ないと思われました。そこで、固定設備の設置状況及びそれらの実際の使用状況はどうであるか調べました。 |
☆ 設備への固定状況は? 補助錠がある自転車(調査台数902台中198台)における補助錠の使用率及び設備への固定率を調査したところ、駅駐輪場や市街地に比べ、ショッピングセンター(SC)でのそれらは低い傾向にありました(表5)。使用者は、自転車から離れている時間や距離及び輪輪場の立地環境によって、施錠方法を変えているようでした。 |
■□■ 補助錠を買うとき&使うときには □■□ |
表6 補助錠の種類別長所及び短所 | |
☆★☆ まとめ ☆★☆ | |
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