環境科学部では、環境保全と持続可能な社会を目指し、環境中の化学物質に関する調査研究、海洋に流出するプラスチック問題に関する調査研究、気候変動の影響とその適応策に関する調査研究、地下水・湧水等の水循環及びエネルギーとしての有効活用に関する調査研究などを実施しています。

環境中の化学物質に関する調査・研究

化学物質は、日常生活の中であらゆる製品に使用され、便利で快適な生活に欠かせないものとなっています。しかし、その中には有害性の高いものもあり、生産、使用、廃棄等の過程で環境を汚染し、人の健康や生態系に直接悪影響を及ぼすものや、個々の物質の有害性は低くても、長期的に悪影響を与えるものもあります。

河川中の化学物質調査

海洋に流出するプラスチック問題に関する調査・研究

年間800万トンが海洋に流出しているとされるプラスチックは、海洋を漂う間に微細化してマイクロプラスチックとなり、世界中の海洋に広く分布しています。その量は年々増加しており、大きな問題となっています。環境科学部では、このような環境汚染の未然防止や実態把握のための調査・研究を実施しています。

海岸域のマイクロプラスチック調査

気候変動適応策に関する調査・研究

県では、気候変動影響による被害の回避・軽減を図り、県民や事業者の理解や行動を促進することを目指し、平成31年3月に「静岡県気候変動影響と適応取組方針」を策定し、当研究所に「静岡県気候変動適応センター」を設置しました。
環境科学部では、気候変動適応センターの運営のほか、地域における気候変動影響や適応に関する情報の収集、分析、提供等や、気候変動適応に関する調査研究を行っています。

気候変動対応市民ワークショップの開催

水循環とエネルギー利用に関する調査・研究

近年、世界的な有用資源、エネルギー資源の枯渇や温室効果ガスの排出による地球温暖化が懸念されており、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用拡大の必要性が高まっています。本県では、地下水の持つ熱エネルギーに着目し、地下水熱利用の普及に取り組んでいます。
また、地下水資源は地域の自然・生活・産業・文化の基礎となるものであり、その保全・有効活用のためには水循環システムを解明することが重要です。
環境科学部では、本県の特徴である豊富な水資源を中心に、水循環の解明やエネルギーとしての利活用に関する調査・研究を実施しています。

大井川流域の豊富な湧き水

上記以外の調査・研究