令和5年度 環境衛生科学研究所 業務研究発表会を開催しました。

~調査研究や試験検査業務の成果について発表します!~

環境衛生科学研究所では、大気・水質環境、医薬・食品、微生物等各分野の研究成果等を県民の皆様に発表するため、業務研究発表会を開催しています。
本年度は当研究所を会場とし、より身近に知っていただけるよう業務紹介コーナーを設けました。

  • 開催日時(この発表会は終了しています)
    令和5年10月17日(火) 13:00~16:40
    入場無料・視聴無料
     
  • 会場
    静岡県環境衛生科学研究所 4階会議室(WEB併用)
     
  • プログラム
    <一般発表>(タイトルをクリックすると詳細がご覧いただけます。)
1. 藤枝にも出現?!外来不快害虫ヤンバルトサカヤスデ

台湾原産の外来種であるヤンバルトサカヤスデは、秋の繁殖期に異常発生して集団で壁によじ登ったり家屋に侵入して人に不快性被害を及ぼします。本県では平成14年頃から静岡市内で生息が確認されて以降、この20年間で海沿いを中心に県全体に分布を広げています。本発表では、ヤンバルトサカヤスデの分布拡大状況や生態特性について紹介するとともに、まん延防止対策の現状と課題について報告します。
 

2. 大井川流域の地下水熱利用について

県では省エネルギー対策やエネルギーの地産地消を進めるため、地下水熱交換システムの普及に取り組んでいます。夏は冷たく冬は温かい地下水の特性をエアコンに利用することで、消費電力を削減することができます。地下水熱を利用するに当たり、地下水の温度と流れが効率に大きく関わってきます。本発表では、地下水熱交換システムを導入した際の効率を可視化した熱交換ポテンシャルマップについて大井川の例を紹介します。
 

3. 静岡県内の公共用水域の水質保全に向けた取り組みについて

静岡県の河川、湖沼、沿岸海域等の公共用水域の水質監視は、「水質汚濁防止法」の規定に基づき、1971年以降50年以上にわたり、国・県又は政令市等が調査を行い、環境基準の達成状況を確認しています。県では調査データをとりまとめて国へ報告するとともに、水質特性の解析や水環境の保全と向上のための調査・研究に取り組んでいます。
 

4. 人工知能を用いた光化学オキシダントの濃度予測

大気汚染物質である光化学オキシダント(以下Ox)は高濃度で人体に健康被害を及ぼすことが知られており、事前に濃度を予測し対策する必要があります。しかし、Oxの生成機構は様々な要因が複雑に組み合わさることで予測を困難にしています。本研究では、人工知能の一種であるRNN(リカレントニューラルネットワーク)を用いて、気象データとOxの関連性を学習させることで、Ox濃度予測を実施したので紹介します。
 

5. 新型コロナが収まったと思ったら… ~県内の感染症事情~

新型コロナウイルス感染症は、2019年の発生以降、またたく間に世界に広がり、日本でも多くの感染者が報告されました。新型コロナウイルスは私たちの生活様式を大きく変化させ、それにより、他の感染症の流行状況も大きな影響を受けました。今回、コロナ禍及びその前後における静岡県内の感染症流行状況について紹介します。
 

6. 気をつけて欲しい、魚を原因とする食中毒

海産魚介類の寄生虫による食中毒は、海洋資源が豊かな本県において重要な公衆衛生上のリスクとなります。アニサキスは、2022年の全国の食中毒事件の病因物質で最多の約60%を占めています。粘液胞子虫は、近年では食中毒病因物質のKudoa septempunctata以外の種の関与が疑われる有症事例が散見されており、調査研究が行われています。今回、これら寄生虫の特徴や、食中毒予防の注意点及び当所の取組を紹介します。
 

7. 静岡発の抗がん剤への挑戦 ~低分子化合物は、抗体の代用となれるのか?~

がんの治療法の一つである免疫療法では、抗体医薬品であるオプジーボやキイトルーダのような免疫チェックポイント阻害剤(ICI : Immune checkpoint inhibitor)が使用され、絶大な効果を上げています。しかしながら、このような抗体医薬品は非常に高価で、治療にはコストがかかることがデメリットとして挙げられます。我々は、抗体医薬品を安価な低分子化合物で代替することにチャレンジしており、その取組について紹介します。
 

8. 多種の植物性自然毒を一斉に測定したい!

当研究所では、植物性自然毒の食中毒疑いが発生した場合、原因物質特定の検査を行っています。これまでは、検査の都度、文献等を参考に検査法を調査し、分析条件の検討を行うため、検査開始までに時間を要していました。そこで、複数の自然毒を同一方法で分析可能な一斉試験法の検討を行ったところ、自然毒18成分を一斉かつ迅速に検査する方法を確立し、検査体制を強化できたので報告します。
 

  <業務紹介コーナー>
  各部の業務について、パネルやスライド等で紹介します。

  • お問い合わせ先
    静岡県環境衛生科学研究所 総務企画課
    TEL. 054-625-9121